修羅の誕生② ~正しい会社の復帰の仕方 窓際社員編~
休暇明け初日
5日間の休暇を経て職場復帰する。
しかし朝礼で以前と同様の動悸が始まり、周囲の人間の視線が僕に注がれた。完全にフィールドの貴公子三杉淳である。
周りの人が心配そうに集まってくるのにも焦りを感じ余計に息が苦しくなり、「もしかしたら今日早退できるかも」的な期待も感じたりした。
動機が続いたのは約10分程度だと思う。収まった後は何事もなくいつも通り自分のデスクに戻り、いつもの業務を行う。しかしいつもの自分でないことが分かる。頭が働かないのである、メールの文章が読めないのである。ひいおばあちゃん書く日記くらい読めない。
この一連の出来事を通じ、「あーこれ社会復帰できないやつかもなー。セルフ車掌のモノマネできるようにならなきゃなー」と感じた。リアルに結構な絶望感である。
その日の昼食、上司から食事に誘われる。久々の誘いである、「おごりだろうな」と強く意識した。
上司とは、今後のことをいろいろ話し合った。
まず、辞めたいことを伝えると、上司からはやめてほしくないということでいくつか案が与えられた。
------さくせんーーーーーーーーーー
①仕事量を大幅に減らす
②部下を作る
③ほかの部署に異動する
④有給使ってガンガン休んで考え直す
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僕の選んだ選択肢は、もちろん①と②の合算、リアルいのちをだいじにである。
自分の会社での価値をわかっており、元々やめてもいいくらいの考えだったので強気に出ることができるのだ。というかサラリーマンを長く続けていると多少の小賢しさは身に着くのだ。おそらく上司はそれを知っているので、あえて選択肢をの中から選ばせようとしたのだと思う。完全にスタンドバトルの世界である。うちの会社怖すぎだろ。
ということで、1日の勤務時間を13時間から9時間までに減らし、さらに休日は俺に電話をかけない、という男の約束を結んだ。この選択が間違っているのかはわからないが、昔よりよくなったことは確かである。
そもそも僕は結構タフガイで通っている。就職支援サイトの適性診断的なやつの結果ではストレス耐性でカンスト手前まであったはずだが・・・。体力的には芦田真菜レベルであるが、精神的には肉のカーテンの僕がなぜ倒れたのか、体育の授業にダンスが必修になるくらい意味不明である。