忠犬ハチ公物語20XX
【前回のあらすじ】
先日、26歳の娘にドタキャンされたのだ。
ほんとにもう何の言い訳もできないくらいの完全なるドタキャンだったので、なんやようわからんけど逆に気持ちよかったのだった(?)
ということで恋愛体質の僕は、躍起になって女性のぬくもりを求めるのであった・・・
【おめえ、何が言いてえんだよ】
9月某日、おデートを行うのだ。
先日のリスケになった町娘とは別であるが、26歳のあざっす案件である。
この感謝の気持ちをどう伝えたらいいのだろうか。知らない人でもいいから感謝の気持ちを伝えたい。
時代が僕に向いてきたのである。今までの人生は時代が向いてこなかったのだ。時代め!!
【スペック】
相手:26歳女性、結構かわいい(客観的に)、若干コミュ症気味。
僕:26歳男性、結構かわいい(主観的に)、だいぶコミュ症気味。
まあ上記のスペックを見ていただければお分かりのように、コミュ症同士の熾烈な争いが繰り広げられる可能性がある。
こういった場合は、男の子として、そしてデュエリストとして話題を用意するのがセオリーであろう。しかし僕はそんなもの用意などしない。なぜなら面倒だから本来の自分を知ってほしいからである。
これでこその豪傑である。
【待ちあわせ】
渋谷で待ちあわせ、12時ハチ公前待ちあわせのところを、「12時半になります」とか言い放ちやがった。かわいいやつめ。待っちゃうぞ(黒)
・・・渋谷で30分も待たされる。もうただのハチ公である。
と、まあこんなこともあろうと家から持参しておいた中島らもを読みふける。
渋谷に文学系のキモオタが誕生した瞬間である。
ということで30分後に待ち合わせ場所にいくも、さすが渋谷、さすがハチ公、さすがあのなんか変な電車みたいなやつというべきか、待ち合わせ場所は大混雑である。完全に待ち合わせ場所としては不適格である。
もちろん混雑の中を探し回りたくはないので、服装を聞く
どうやら白いシャツにカーキのスカートらしい。カーキの意味がわからなかったので普通に白いシャツの女性を探す。すると結構近くに発見。マジで近い。
正直、「気付けよ」とか思ったけど、気が付いているけどこいつだと信じたくないパターンも想定できるので深くは追及しないのである。
やはり相手の印象としては、前歯がめっちゃデカかった。シェーの人に似ていた。
まあ全体の印象としては中の中。目測通り結構かわいいのだ。
【レストラン探し】
食事場所を探す。
外は暑かったので半強制的にマークシティの中に入り、面倒なので近いレストランに適当に入る。するとイヤミがトイレに行きたいとか言い出した。
「家でして来いよ」とか、「なんで遅れたのにしてこないんだよ」とか思ったけど今回は許す。この状況で許すのは、漏らしてほしくない以外にも大きな理由がある。
おそらくだが、僕のものをinsertするためのPreparationをしてるのだろう・・・
けなげな子やで、けなげな子やでしかし。 ※今僕は関西弁にハマっています
完全に勝確である。こんなもん、もうすでに勝ったようなもんである。
ということで10分ほど待つ、俺マジハチ公。ジャストハチ公。
戻ってきたときも、なんかイヤミの肌つやが増した気がするし、こころなしか火照ってた気がするのだ。ほんとかわいいやつめ。
【会話】
当然、まずはなんで遅れたかについて追及する。
僕と向かい合った瞬間そこはすでに取り調べ室なのだ(かっこいいけど最悪)
理由としては普通に寝坊らしい。
・・・わかる。昨日楽しみにしてたんだよな。
実際は、「洗濯機を回している間にうとうとしてしまって~」、みたいなよくわかんない言い訳をしていたのだが、マジで意味が分からないのでシンプルに寝坊ということにしておく。ていうか寝坊で間違っていないと思う。
親しくない人と話す際はとりあえず褒めてみるのだ。こういう時は相手のチャームポイントを褒めるのがセオリーなのだ。わかんないけどそうなのだ。
この理論を《しゃっちょさんセオリー》という。もしくはいわない。
《しゃっちょさんセオリー》
フィリピンパブでよくみられる光景から名がついた非常に安っぽい理論。
「よくわかんないけど社長と言われて嫌な気はしないだろ」、というフィリピン人の気質をよく表すラテン系の理論である。
褒め方にもある程度幅を持たせるのが通常であるが、びっくりするくらいワンパターンで攻めるのがこの理論。機転の利かない僕にピッタリである。
ちなみに、実際にフィリピンパブには行ったことがない。全部想像である。
ということでとりあえず歯のきれいさを褒める。
歯の感じは、誰が見てもコンプレックスと表裏一体ではあるがガンガン褒める。
一世一代の賭けではあったが、『子供の頃に歯を矯正していて、今ではそのことを親に感謝している』といった謎の感動巨編に話が移行し、めっちゃあくびをかみ殺しまくった。
相手はやはりコミュ症気味、全然盛り上がらない。
僕も同様にそのきらいがあるので、高レベルのボクシングの試合並みに手さぐりである。つーかなんだよ歯を矯正した話って・・・盛り上げたくねえよ。
で、なんやかんやしているうちに相手側に誰かから電話がかかる。
なんとそれを皮切りに解散の準備を始めるではないか。なんてタイミングだ。
完全に解散の流れである。そしてスタンバイフェイズから会計フェーズへと移行する。
【会計】
恋愛マスターの僕は、次につながらないパターンの解散であることを瞬時に理解する。
その結果、僕のコンピューターがはじき出した答えは、『割り勘にしろ』である。
会計の際に、割り勘を誘導する《メンタリズム会計》を行うことにより無事割り勘に成功する。
《メンタリズム会計》
伝票を見ながら相手の食事代を独り言で伝えることにより割り勘を示唆する会計法。
あくまで独り言で伝えるため促しているわけではないのだ。相手が自ら払うのだ。
例)「えーと2,000円だから。おっ、ちょうど1,000円じゃん」 ※もはや示唆ではない
ちなみに、これを使用することにより失われる好感度は食事の代金に比例する。
このテクニックはメンタリストのda〇goが推奨しているので、誹謗中傷はすべてd〇igo宛に頼む。
まあそんなこんなで当然次の食事にもつながらないし、「今日はありがとう」のラインもギリギリ無視された。
【結果】ハチ公の気持ちを味わうことができた、夏