ペアーズ ゲームギャル編
12月15日、その日、19時に食事の約束をしている。
相手の事前情報としては、
「ゲーム好き、29歳、眼科の受付」といったしょうもない人間である。
そもそも眼科がゲームしちゃダメだろ。
休みの日はひたすら緑でも見てろ。
ただ、そんなしょうもない女の子でも、
写真を見る限り、わりと美形かつOPPがでかいのだ。
しょうもあるやん!!!!!!
一方そんな僕はというと、
「ゲート(肛門)好き、精神年齢が9歳、社内ニート」といった個性を感じる人間である。
・・・ほぼ同条件である。
<待ち合わせ>
待ち合わせは横浜駅である。
駅の構内で待ち合わせなので、結構わかりにくい。
したがって、駅に到着と同時に電話。
ぼく「今ドトールの近く!どのへん?」
OPP「あ、わかったかも、緑の帽子かぶってる?」
と返事が来た。
当然そんなハイセンスな帽子をかぶっていないが、一応緑の帽子を被ってる人を探してみると、緑の帽子をかぶっている人が完全に中国人観光客であった。ふつうに笑いそうになった。こいつセンスあるかも。
まあなんやかんやあって、無事会うことができた。
印象としては、普通にまあまあの顔で、ランクで言えば中の上といえる。
いわば、「ふーん、えーんちゃう」レベルである。
もちろんぼくのTPPはバッキバキである。
軽く話しながらお店に到着。
なんだかギャルっぽいな、という不安に俺の生存本能が帰宅を促すものの、”社会人としてエスケープだけはしてはならない”、そんな自分の中の紳士が俺を留める。
―社会人としてのレベルが非常に高い。
思えば、どこに出しても恥ずかしくないりっぱな大人に成長したものである。
そんなりっぱな大人と、ゲームギャルとの戦いが今始まるのだ。
※過去に待ち合わせで化け物と遭遇して逃げたことはあるけどあれは生存本能だからノーカン。
<スペック>
相手:ギャル、童貞をバカにしてそう
僕:童貞をバカにされてそう
<おしょくじ>
食事場所は、ラム肉の鍋の専門店的な場所である。
まずは、店員さんの説明を必死こいて聞こうとした。
ラム肉というトリッキーな食べ物を食べることになるので、後でお腹を壊して保健所にこの店を通報することになるのは避けたいのだ。慈悲深えか?
しかしいかんせん店員さんの話がつまんなすぎて全く入ってこなかった。
※笑いどころが見つからないと話が入ってこないのだ
テーブルには、牛タンとラム肉、そしてなぜかわたあめが用意されており、よくわかんないけどファーストわたあめっぽいと思ったので、軽く指でちぎって食べた。
するとゲームギャルも俺に続いてちぎって食べたのだ。
「こいつ、オレについて来やがるのか・・・」みたいなマキバオー的な展開になったのだが、話はラムである。あとマキバオーを見たことがない。
その後は、確実に食べ方を分かっていない僕の目の前で鍋にわたあめを放り、ドヤ顔を見せつけられるという恥辱を受けた。
そもそも鍋にわたあめを入れるというのは消費者を馬鹿にしている。
自由すぎる発想である。常識を疑いすぎである。
こんなもん、”アホな中学生がふざけて鍋にお菓子を投入したのがこの食べ方の起源”だと思う。食べ物で遊ばないでほしい。工事現場とかで遊べ。
今回の鍋は、”自由に自分の食べたいものを投入する方式”(アフリカンスタイル)である。
普段の僕は、”適当に入るだけ入れて、いい感じの時に取り出してまたすぐに投入方式”(ネイティブアフリカンスタイル)を採用している。
この効率化の時代に沿っている。時代の寵児といえよう。
なんでも、相手は野菜も食べたいという変わった価値観の持ち主なので、開幕ベジタブルを行う。
するとどうだろうか、なんとも治安のよい鍋になった。ぜんぜんおいしくなさそうである。一刻も早めに肉を投入すべき案件である。
肉が解禁されてからはは黙々と食べ続ける。
しかしそこで一つ大きな問題が発生する。
そう、肉を鍋に浸しながら、食事かつ会話など、あまりにも高度な活動であるのだ。
そんなレベルの高いことできるわけないのである。普通そうだろ。
ギャルの生態が童貞の僕にはつかみかねるので。手探りで無難にいくも、普通に生態はつかみかねる。
笑いのツボもよくわからないし、笑うと「ウケるー」とかまじで言うし、しまいには”知的〇碍者”みたいな危険なワードも出てくるのだ。
こんな口の悪いやつは初めてである。前科ありそう。
ただそんな彼女であるが、好きになる理由はある。
おっぺえがいい感じででかいのだ
これはもうつかみかねるだろ(⁉)
ということで、自分の好きなステージに持ち込むことにした。
そう、社会への不平不満である。
特にたいした被害もないのに社会への不平不満を語らせたら俺の右に出るものは、まあいるけどそこまでは多くないと感じているのだ。
そういったスタンスでやらせていただいております、なのだ。
下記にその不満の一部を抜粋したので必要ないけど一応記す。
①セブンイレブンは洗脳している
セブンイレブンに入るたびに、「ずっとゆめ~を見て~」と流れる。
”あのせいで失った命とかもたぶんある”、的なぼんやりした話題を提供したら、相手もぼんやりしていた。そりゃそうだ。
②きつね色という表現
端的にわかりにくい。
「俺は都会育ちの現代人だからきつねなんか知らない、義務教育できつね関連の授業をすべき。つーかそもそもどのジャンルのきつねだよ、仮に北欧の方の…とか言われてもきつねに詳しくねえから。普通にみんなが思ってるよりやや黄色がかった茶色とか言えよ。」と言ったけど、怖くて相手の表情を確認できなかった。
③音楽聞くやつは危機管理が足りない
街中でイヤホンで音楽を聴いているやつは隙だらけ。
「俺なんかイヤホン使わないから急に手裏剣が飛んできても大丈夫だよ。イヤホンで音楽聞いているやつは後ろからワニが来た瞬間多分食べられちゃうもん。俺はワニがきてもすぐにシュッてできる。」
これはさすがに笑ってた。
といった感じでまったく手ごたえもなく食事がおいしかった。
たぶん物凄いスランプだったんだと思う。羊の肉には魔物が住んでいる。
これはもう保健所に連絡するしかない。俺には権利があるのだ。
終了後に、これでもかというくらいの基礎的な社交辞令をして、無事に一つの愛が終了した。
<翌日>
前日の手応えとは裏腹にラインが来たので、
「これは・・・フフフ」なんて思ったりした。
しかし何のことはない、
”ゲームでムカついてコントローラーを投げたら、近隣住民から苦情が来た”という話を、わざわざ手紙の写真付きで連絡をくれた。
わざわざ用事もないのに連絡をしてくるなんて、「もしかして俺に気があるのか、かわいいやつめ」、なんて勘違いしたけどマジで勘違いだった。
そんなことよりも社会に適合してないやつと食事してしまったという、
”犯罪者とわんぱく行為に及んだ波多野結衣”みたいなテンションになった。
<結果>
ギャルだってコントローラーくらい投げる。